
こんにちは。埼玉県ふじみ野市で活動している、こどもえいごクラブJacarandaです。
前回の投稿、臨時休校で「暇」になってしまった子どもたちへの中で、暇を表す単語 “Bore” が日本語の「ボーッとする」に音のイメージが似ていると冗談を書いたのですが、同じような偶然の一致が起こっている外国語は他にもあるんですよ!
今回はそんな「おもしろ言葉」を紹介しますね。半分笑い話です。どうぞゆるくお付き合いください。
「食べるな」「大馬鹿なる」に聞こえるお店の名前

以前、美味しいイタリアンレストランでお食事をしたら、そのお店の名前が『タベルナ』だったのでおかしくて笑ったことがありました。こんなに美味しいのに「食べるな!」なんて。
あとで聞いたら、イタリア語で「タベルナ “Taverna”」とは「大衆食堂」と訳され、要はレストランという意味だったのですね。単語の音を聞いているだけだと、正反対の意味みたい。そんな勘違いをしてしまうのは日本人だけだけど。
そう言えば、大学生の頃、フランス語のレッスンをカフェで開講するお洒落な教授がいらして、いつも『オーバカナル』というお店で受講していたのですが、フランス語がちんぷんかんぷんだった私の頭の中では「大馬鹿なる」と変換されていました…失礼。
「オーバカナル“aux bacchanales”」とは古代ローマのお祭りを指すらしく、しかもそのお祭りは神話に登場するお酒の神様を讃えて催されたものだったので、それはもう飲んで酔っての大騒ぎ。転じて「どんちゃん騒ぎ」という意味になったようです。
あれ?それなら、飲みすぎちゃって「大馬鹿なる」って、私の解釈もあながち間違っていないかも?…いや、失礼。
イギリス人からの質問、『んぼ』って何ですか?

イギリス人の友人のお父さまが植物博士で、日本の桜にとても興味があるそうで「君に是非とも質問したいことがある」と真剣に言われたことがありました。植物博士からの真剣な質問…緊張しながら受けたその質問とは…、
「“Cherry” のことを “SAKURA” って言うんだよね?でもそれは花のことだけなんでしょう?フルーツの方は “SAKURAMBO” だね?その“MBO” って何なんだい?」でした。笑
私にもよくわからないけど…、と前置きして、もしかしたら「坊ちゃん」「坊や」の「坊」かも知れない、と答えました。つまり、小さくて可愛い男の子のことを、親しみを込めて「坊」を付けて呼ぶことがあるんだ、と。
すると、妙に納得して「なるほど! “SAKURA’s BOY” ってことか!日本語でも、男の子のことを “BOY” みたいに言うんだね。」と返ってきたんです。
本当だ!まったく気づいていなかったけど、言われてみると「坊や」と “BOY” って似ていますね。偶然なのでしょうけど「確かに!」と大笑いしました。
世界に進出した九州弁?方言も英語っぽい。

イギリスの学校で、ある時、先生の言葉に耳を疑う出来事があったんです。
その日の授業は、いつもに増して生徒たちのお喋りが盛り上がっていました。先生からの再三の注意も虚しく騒がしさはエスカレートするばかり。
そしてついに先生の怒りが爆発。次の瞬間、こんな怒鳴り声が響き渡ったのです。
しゃあし!!
それまで「英語の授業は難しいなぁ…。」と、ぼけっとしていた私は、びっくり仰天、目が覚めました。だって、イギリス人の先生が、九州のおばあちゃんと同じ言葉を叫んだのですから!
九州地方には「うるさい」「騒がしい」「うっとおしい」という意味の「しゃあしい」という方言があるんですよ。
教室が静まり返る中、私ひとり、イギリス人の先生から九州弁が放たれるというまさかの出来事に笑いを堪えるのに必死でした。ちなみに、先生は九州弁を喋ったわけではもちろんなく、“Shush” と言ったんですね。「シッ!静かに!」という意味です。
こんな風に、方言にも英語に似ていると言われているものがありますよ。
「〜できる」という意味 “can” に “not” を付けて否定形 “can’t” にすると、イギリス英語では「キャント」より「カント」の音に近くなります。すると「(私には)ダメ!無理!できないよ!」という意味で “I can’t!” と言うのが、関西弁の「あかん!」に聞こえるというのです。
また、九州地方の方言「〜ばってん」は「〜だけれども」という意味で使われますが、英語の “but then” と音も意味も同じだという指摘があります。うまいこと言いますよね!
まだある!日本語みたいな英単語

それでは、日本語と同じ?と思ってしまう英単語を(こじつけっぽい部分もありますが)まとめてご紹介します。
nothing(何もない)
初めてこの単語に出会った時は「無しing?」と思ったものです。日本人の苦手な “ th ” の音で、厳密には「し」の音とは違いますが、日本人なら「無し」と変換してしまいますよね。
so(そのように)
「私はそう思うよ。」や「彼はそう言っていたよ。」と言う時、英語でも “so” を使って“I think so.” や“He said so.” と言います。
road(道)
子どもたちが最も混乱する単語のひとつ。日本語の「道路」を逆さまに読んだみたい!
irritate(苛立たせる)
相手を怒らせたり、挑発させたりする意味で使われる、ちょっと難しい単語ですが、頭の “irri” が、日本語の「イライラ」に似ていて覚えやすいですね。
hidden(隠された)
外国人観光客や留学生に人気らしい日本語が「秘伝」。よく「秘伝の調理法」などと使われますよね。他の人には知り得ない、その店だけに伝わる秘密のレシピ。これが英語の “hidden” にそっくり!と言うのです。確かに!
dumb(馬鹿)
これはあまり上品な言葉ではないので、小さく紹介しますね!アメリカに住む日本人の友人が、ご近所さんに「言うことを聞かないペットの犬をしつける時、日本語では何と言うの?」と聞かれたそう。「『ダメ!』って言うのよ。」と教えたら、「あぁ、 “dumb” って言うのね!」と返ってきたそうです。“dumb” とは「馬鹿」という悪口のスラング。取扱い注意の単語ですよ!でも確かに遠からず、という気がしますね。

今回は冗談まじりのゆるいお話でした!
でも面白いでしょ?
こんな冗談にも笑いながら、一緒に言葉への興味を深めていきましょう。子どもえいごクラブJacarandaに興味を持っていただけたら、ぜひ遊びに来てくださいね!