
こんにちは。埼玉県ふじみ野市で活動している、こどもえいごクラブJacarandaです。
みなさんは妖怪と聞くと、どんな想像をしますか。おどろおどろしい、奇妙な、ゾッとする感じかも知れませんね。一方で、なんだか憎めない、可愛らしい面もあり、昔から日本人に愛されてきた存在です。
今回は、今話題のアマビエ伝説をメインに、日本の伝統的モンスターである「妖怪」の魅力に迫ります。
世界中から注目される妖怪、AMABIE

新型コロナウイルスによる感染症の世界的な流行拡大により困難な状況が続く中、じわじわと存在感を増してきた妖怪と言えば、そう、アマビエです。今や日本を飛び出し、世界中の人々がアマビエの絵を眺めています。
というのも、アマビエは海から現れ「疫病が流行ったら直ちに私を描いた絵を見せよ(そうすれば乗り越えられる)。」と言ったという伝説があるのです。
主にSNSで「#アマビエチャレンジ」などのハッシュタグ付きで拡散されると、ついには厚生労働省までもがアマビエを用いた啓発アイコンを使用し始めました。もはや国も妖怪頼みの超緊急事態。アマビエの力を借りて、ひとりひとりの行動を変えるよう呼びかけています。

さらに、アマビエ人形、アマビエ饅頭…と、次々にアマビエをモチーフにした商品が誕生しています。もともとは、長い髪、クチバシ、3本の足を持った人魚、という不可思議な姿ですが、どれも親しみやすくアレンジされていて、まるでゆるキャラのような愛嬌があります。
世界的に見れば、妖怪は Monsterのジャンル。う〜ん、モンスターか…。ピカチュウもエルモもモンスターだけど、妖怪とはちょっと違うなぁ…。
ちなみに、Google先生などの音声翻訳機能を使って “AMABIE” を読んでもらうと、
あまぁ〜びぃ
…と発音してくれます。へぇ〜、アマビエは英語で「あまぁ〜びぃ」かぁ…って、、、そんなわけない!笑
アマビエは日本オリジナルの存在だから、英語でも何語でも「あ・ま・び・え」が、本当は正しい発音のはず。でもスペル上は「あまぁ〜びぃ」の方が自然なのですよね。そして、どうしてもアクセントを付けずにいられない英語圏ではまが強くなってしまう。こうやって、日本独自のものが少しずつ国際仕様になっていくわけですね。
志木市の河童伝説

さて、アマビエの「疫病退散」同様、妖怪たちはそれぞれにまつわる「伝説」とセットで伝えられています。
こどもえいごクラブJacarandaが活動している埼玉県ふじみ野市周辺では、志木市の河童伝説が有名です。
新河岸川に現れる河童がイタズラをしたり、相撲を仕掛けてきたりするというもので、子どもにもわかりやすく、おもしろおかしい笑い話のようです。
なかなか厄介者の河童小僧ではありますが、愛嬌もあり憎めない存在です。志木市内には、可愛らしい河童の像があちらこちらで見られ、市民に愛されていることがわかります。
しかし、伝説はハッピーエンドのものばかりでなく、中には「若者が河童に水中へ引きずり込まれて行った。」という恐ろしい結末のものもあります。
志木に河童伝説が誕生した背景には、過去に度々起こった新河岸川の氾濫があると言われています。私たちが親しんでいる美しい川も、時に恐ろしく、命を奪うことがある。災害によって得られた教訓が物語となって警告を発しているのです。
妖怪の魅力と教訓

山、川、海、あらゆる自然の中に妖怪は存在しています。礼儀正しくしていれば、何もしない、あるいは恩恵を与えてくれることもある。一方、怒らせてしまうと祟りが起こる。
妖怪伝説には、自然の美しさや恐ろしさが描かれ、また自然と共存しようとする人間の知恵が込められているのですね。
それは、代々子孫を守るため、長くいつまでも伝承され、いつも人々の身近にあり、戒めるものでなければならない。
そのためには、堅苦しいだけの教訓や、恐怖を煽るばかりのホラー作品ではなく、また可愛くて面白いばかりでもいけない。
恐ろしさの中にもどこか親しみを感じる、妖怪の独特で絶妙な持ち味が、その役割をしっかり果たしていると言えます。
今回、話題になっているアマビエも、私たちに危機を乗り越えるヒントを与えてくれているかも知れません。
「疫病が流行ったら直ちに私を描いた絵を見せよ。」という言葉は、「絵を見せよ。」のところが、流石だなと思いました。
たとえば、もし「(人魚ということに因んで)この魚を食べなさい」だったら、きっと特定の魚を手に入れるために争奪戦(…マスクのように)大騒ぎでしょうし、「私の姿(そのもの)を見なさい」だったら、相当困難なチャレンジを強いられることになったでしょう。
でも、絵で良いんだ。しかも、見せるだけで良い。簡単。
絵を描いて、誰かに見せることは、誰にでもできます。実際、みんなが色々なアマビエを描いたり作ったりして、見せ合ったりSNSで拡散したりしていますね。そうやって、お互いを励まし合っています。緊張とストレスでピリピリする中、アマビエのおかげで、人々の優しさを感じられたブームだったのではないでしょうか。
自分にできることをする。優しい思いやりの心で繋がる。世界的な危機に立ち向かうために大切なこと。それをアマビエが教えてくれているような気がします。
妖怪の力を借りて乗り越えよう
緊急事態宣言で外出自粛の日々は、小さい子どもたちにとっても辛く、また状況を理解するのは、なかなか難しいですね。
妖怪の神秘的な雰囲気は、子どもたちにも伝わるでしょうか。
妖怪の力を借りて、子どもたちに協力をお願いするのも良いかも知れません。

みんなが元気でいられるように、いつもきれいに手を洗って、ご飯をたくさん食べて、よく寝てね。そうすれば、きっとアマビエさまが守ってくれるよ。

インターネットでも、子どもたちが楽しめるアマビエのアクティビティが色々と紹介されています。ここにオススメのサイトを載せますので、よかったら遊んでみてくださいね。
アマビエのぬりえ (makuraさん作)
アマビエの折り紙(折り紙作家カミキィさん作)
アマビエのこいのぼり(株式会社オフィスグルー・ミセスミシンさん企画)
子どもたちが、心配なく集まって遊べる日が1日でも早く戻ることを願って、こどもえいごクラブJacarandaも今できることを探していきます。
イベントページはこちら
お問い合わせはこちら