「靴を脱ぐ」「ハグをしない」新型ウイルスによってスポットライトが当たった日本の文化たち

こんにちは。埼玉県ふじみ野市で活動している、こどもえいごクラブJacarandaです。

今回は、新型コロナウイルスの大流行を受け、図らずも注目を集めることになった日本の文化や習慣についてのお話です。

感染防止に効果あり?かも知れない習慣

もともと衛生意識の高い国と言われている日本ですが、新型コロナウイルスの流行を受けて改めて「感染防止の一翼を担っているのでは。」と、国内だけでなく海外でも話題に上がった文化や習慣がありました。

本当に感染予防に役立っているのか真偽のほどはさておき、思わぬきっかけで再認識することになった日本文化の一面です。

靴を脱ぐ

玄関で靴を脱いでから家に上がる習慣は、室内を汚さずウイルスを家の中へ持ち込まない効果が期待できるとして、とても衛生的だと多くの専門家が指摘しています。

日本の他、韓国やトルコでも、家に上がる時に靴を脱ぐ習慣があるそうです。

握手やハグをしない

日本でも家族や恋人、友人など、親しい仲の人同士、握手やハグをすることはありますが、それが挨拶の一部で、日常的な習慣である国に比べると、やはり頻度は少ないでしょう。ヨーロッパでは、頬と頬を付けてチュッとすることもあります。とても素敵な習慣ですが、もしかしたら感染のリスクに繋がるのかも知れません。

お辞儀

一方、日本人の挨拶と言えば「お辞儀」です。お互いに頭を下げてもゴツン!とならない程度の距離をあけるわけですから、自然と「ソーシャルディスタンス」が保たれるはず、というわけです。

マスクに慣れている

欧米では、マスクを着けるのは医療関係者や専門的な分野の人々がメインで、日常的にマスクをする習慣はありませんでした。特に、病気でもないのに「予防」のためにマスクをするなんて異様に思われていたと思います。私も「日本人って街中でマスクをするんでしょ?」と不思議そうに聞かれたことがあります。マスクは、慣れていない人にとってはとてもストレスですね。日本では抵抗なく着けられる人が他国より多かったかも知れません。

主食が米

日本人の主食はお米。手を使って食べるパンを主食にするより、箸を使って食べるお米の方が感染リスクが下がるという説が浮上。日本人だってパンを食べるし、お米をおにぎりにすることもあるので限定的だとは思いますが、確かにそういう面もあるかも知れません。

和食

和食は栄養バランスの良い食事として世界から注目を集めています。2013年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。特に、動物性油脂が少なくヘルシーで、長寿や肥満防止に役立っていると言われています。こうした食生活が健康に繋がり、新型ウイルスとも戦える身体を作るのかも知れません。

感染リスクを高めている?かも知れない習慣

逆に、感染リスクを高めてしまう可能性のある習慣も浮き彫りになりました。

通勤ラッシュ

通勤、通学に多くの人が鉄道を利用する日本では、朝夕のラッシュ時の車内は「すし詰め状態」。職場や学校にたどり着くために「密」を避けることができません。車通勤の多いアメリカとは異なる問題ですね。最近では、自転車通勤に切り替える人も増えているようですが「自転車の交通違反」という新たな問題が浮上しているようです。

真面目な日本人気質

真面目で和を重んじる日本人は休むことが苦手。職種や職場によって様々な事情があるでしょうが、他人に迷惑をかけたくない思いや責任感から、体調に優れないところがあっても多少なら(…かなりでも)無理して出勤してしまう人も多いと思います。

睡眠時間

日本人の睡眠時間は世界でワースト1位なのだとか!趣味が忙しい人もいるでしょうし、残業時間の多い仕事、試験勉強、付き合いの飲み会…などなど、色々な事情がありそうですね。睡眠不足は体調不良や免疫力の低下にも繋がってしまいます。

4月入学の学校制度と9月入学案の賛否

国内で大きな話題となり賛否が分かれたのが「9月入学」の導入についてです。

現在日本では、ほとんどの場合に4月から3月を年度の区切りにしています。しかし今年はちょうど2月末頃から自粛の流れとなり、3月に出された緊急事態が5月まで続いたため、年度末〜年度始めがなくなってしまいました。

卒業・入学(入社)のタイミングだった人たちには大きな影響がありました。また自粛期間中に学校へ行けなかった子どもたちの学習の遅れが問題となっています。そのため、教育機関の始業を9月に移行しようという案が浮上したのです。

なぜ9月なのかと言えば、欧米諸国の学校制度が9月始まりだからです。これを機に、日本の学校制度を欧米に合わせようというグローバル化の動きが背景にあります。

日本の学校が9月入学となれば、日本と欧米諸国との間で、留学生の受け入れが互いに容易になり、学問の幅が広がる、質が深まるというメリットが挙げられます。

また、受験生にとっては、インフルエンザなど感染症の流行や、積雪による交通機関の乱れが懸念される冬ではなく、春〜夏の時期に試験を受けられるのは良いことかも知れません。

一方で、未就学児の教育が犠牲になること、新社会人に空白の期間が生じてしまい経済的な負担が生じることなど、問題は山積しています。幼稚園から大学までの教育、そして就職までの流れを途切れさせないためには、各機関で大規模な改革が必要となり、一筋縄ではいきません。

4月に年度が始まるのは、実は世界でもめずらしいことです。寒い冬を越え、桜が咲く頃に出会いと別れを経験してきた私たちには、日本人特有の季節感や情緒が育まれていると思います。9月入学に移行することになれば、その感性も徐々に変化していくことになるのかも知れません。

「世界が注目する日本の“SAKURA”」の記事はこちら

疫病退散!妖怪アマビエ伝説

最後に、世界中で話題になったあの妖怪に触れておきましょう。

疫病退散を願い広まったのが、そう、アマビエです。

アマビエは海から現れ「疫病が流行ったら直ちに私を描いた絵を見せよ(そうすれば乗り越えられる)。」と言ったという伝説が伝えられています。

長い髪、クチバシ、3本の足を持った人魚、という奇妙な姿ですが、どこか可愛らしくもあり、人々の心しっかり掴みました。

日本の古い伝説の妖怪が、ウイルスの流行をきっかけに、現代のSNSの波に乗って拡散され、世界進出を果たすことになったのでした。

「日本が誇る伝統、YOKAI -Monstersの魅力に迫る!」の記事はこちら


ところ変われば品変わる。国や地域によって文化や習慣が異なれば、ウイルスの捉え方や予防対策も様々です。私たちは、日本の生活様式の中で知恵や経験を活かしつつ、世界の国々と力を合わせて乗り越えていきたいですね。

現在、夏以降の活動について「新しい生活様式」の中で子どもたちが安心して楽しめる方法を慎重に検討しています。イベントを企画する際は、こちらのホームページでもお知らせします。

お問い合わせはこちら

タイトルとURLをコピーしました